2025年、読売ジャイアンツの先発ローテーションに、新たな顔が定着しつつある。群馬県の公立校・群馬県立前橋商業出身、2019年ドラフト4位の井上温大投手(23歳)だ。
プロ入り後の2021年には故障による育成契約への降格を経験しながらも、腐らずに力をつけ、2022年には支配下復帰。そして2025年シーズン、ついに本格的な飛躍を遂げようとしている。
4月で早くも2勝をマークし、安定した投球で首脳陣の信頼を獲得。エース候補として名乗りを上げた今、注目が集まるのはその原点、母校・前橋商業高校の存在でもある——。
巨人・井上温大がつかんだローテ定着、安定感が光る投球内容
▸ ローテーション定着のカギは「安定感」と「緩急」
2025年シーズン、井上温大がついにプロの世界で確かな存在感を示し始めた。4月の時点で防御率は1点台と安定し、先発として2勝を挙げている。特に評価されているのは、打者との駆け引きと緩急を生かした投球。直球は140キロ台中盤ながら、スライダーやチェンジアップの制球力が向上し、打たせて取るスタイルがチーム内でも際立っている。
▸ 首脳陣の信頼を勝ち取り「次代のエース候補」へ
首脳陣からの信頼も厚く、ローテーションの一角を担う立場に定着しつつある。左のエースとなるべく、その投球内容は日々進化している。
下位指名からの逆転劇!育成降格から這い上がったストーリー
▸ ドラフト4位でプロ入り、順風満帆ではなかったプロ生活
井上温大は2019年のドラフトで読売ジャイアンツから4位指名を受けて入団。高校時代から将来を嘱望されていたが、プロ入り後は度重なる故障に悩まされ、思うような結果を残せなかった。2021年オフには育成契約となり、一度は支配下選手の座を失っている。
▸ 「支配下復帰」後の躍進
しかし腐ることなく、地道なトレーニングと2軍での登板を重ね、2022年夏に再び支配下登録され初勝利。2023年には1軍での勝利は無かったが2軍で7勝無敗と成長の兆しをみせた。昨年2024年には1軍で25試合に登板して8勝の活躍。
登板 | 勝利 | |
2022(育成から支配下再登録) | 7 | 1 |
2023 | 4 | 0 |
2024 | 25 | 8 |
2025(4/24現在) | 4 | 2 |
群馬の公立・前橋商業高校出身というバックグラウンドが話題に
▸ 前橋商業時代は「群馬県準V」甲子園に届かず
井上のルーツは、群馬県の県立前橋商業高校。井上自身は甲子園出場経験はないものの、甲子園出場経験のある県内では伝統ある強豪として知られており、堅実なチームカラーが持ち味の学校だ。
井上は1年秋からベンチ入りし、3年夏にはエースとしてチームを準優勝に導いた。その姿勢は今も変わらず、プロの舞台でも「丁寧な投球」と「冷静なマウンドさばき」は高校時代と変わらない。
▸ 前橋商業野球部の現在と、母校に寄せられる注目
前橋商業野球は2023年に夏の甲子園に久しぶりに出場。2025年は春季群馬大会でベスト8に進出し夏の群馬大会のシードを獲得。群馬県内の公立強豪校としての地位を確立してます。井上の活躍が母校にもポジティブな影響を与えている。後輩たちにとって、井上の存在はまさに“公立からプロへ”の理想像だ。
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今後の課題と可能性、目指すは“巨人の新エース”
すでに一定の結果を出しつつある井上だが、本格的なブレイクには「規定投球回数」と「2ケタ勝利」の達成が目標となるだろう。中6日で回り続けられる体力と年間を通じた安定感は、真のローテ投手には不可欠な条件だ。
また、井上の特徴でもあるコントロールを武器に、より厳しい場面でも動じない“メンタル面の進化”が求められる。戸郷、山崎伊織に続く世代交代の波の中で、井上がどこまで上り詰めるか。ファンの期待も日増しに高まっている。
まとめ|ドラ4からの快進撃はまだ序章、次代の主役へ
下位指名からスタートし、育成落ちという苦境を乗り越えた井上温大。2025年シーズンはその努力が結果として結実しつつある重要な年だ。地方公立高校出身の下位指名の投手が、伝統球団の先発ローテーションに食い込む姿に応援をしたくなります。
母校・前橋商業の名を背負いながら、井上は一歩ずつプロの階段を登っている。その快進撃はまだ始まったばかり。ジャイアンツの未来を託せる存在として、これからの登板にも注目が集まる。
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