2025年のマスターズ・トーナメント。日本のエース・松山英樹選手が出場していることもあり、初日からテレビ観戦を楽しんでいました。
その中で、ちょっと気になった場面がありました。
13番ホールでの出来事。3打目のアプローチショットがグリーンオンした直後、なんとピンに当たって跳ね返り、そのままクリーク(小川)に転がり落ちてしまったのです。まさかの池ポチャ。
松山選手は、元の場所に戻って再びアプローチを打ち直す選択をしました。
「えっ? 池の近く(グリーン脇)から打ってもよかったのでは?」
……と、正直思ってしまいました。
当然ですが、ルールを調べたら自分の知識不足を痛感する形になりましたので、その内容をまとめてみたいと思います。
松山選手のショット
2025年マスターズ初日、13番ホール松山選手の3打目。フェアウェイから残り80ヤード前後のアプローチショットがピンの手前に着弾、バウンドしたボールがピンに当たり跳ね返って右手前に。そのまま、勢いよく転がりグリーンからこぼれ落ちてクリークに入ってしまう不運な一打。

マスターズ公式youtubeのこちらの動画の8分10秒くらいのショットです。
自分の中の“ルール認識”と違っていた
普段、自分でラウンドする際には、「池に入ったら、落ちたあたりから1打罰でプレー再開」という感覚でプレーしていたので、松山選手の判断にはちょっとした違和感が。
特に今回はグリーンに近い場所での出来事ですし、「落ちたあたり(グリーン脇)から打ち直した方が簡単じゃないのかな?」と思ったわけです。
当然ですが、調べてみると自分のルール理解が甘かったことが分かりました。

改めて確認:「ペナルティーエリア」のルール
ルールを調べてみました。
いわゆる“池”や“クリーク”などのエリアは、正式には「ペナルティーエリア」と呼ばれていて、種類によって処置が異なります。
以下はイメージをわかりやすくするために簡易的に記載してあります。実際のルールと細かい内容は異なる点もあると思いますので、競技等に出場される方はルールブックを読んで間違いないように処置をお願いします。
● イエローペナルティーエリア(黄杭・黄線)
- 元の場所から打ち直す(ストロークと距離の救済)
- 後方線上の救済(入水点とピンを結んだ線の後方にドロップ)
● レッドペナルティーエリア(赤杭・赤線)
- 上記2つに加えて、
- ラテラル救済(入水点から2クラブレングス以内で、ホールに近づかない場所にドロップ)
つまり、「池を越えたところからドロップする」というイメージは、赤杭のときのみ可能な「ラテラル救済」ということなんですね。かつ、「ホールに近づいてはいけない」という点も注意点として有りますね。

松山選手のケースは「イエローペナルティーエリア」
映像を見ると、13番ホールのクリーク周辺には黄色の線が引かれていたことから、このエリアは「イエローペナルティーエリア」であると判断できます。

となると、松山選手の選択肢は以下の2つだけ:
- 元の場所から打ち直す(ストロークと距離の救済)
- 後方線上にドロップする

おそらく、ピン位置やライ(地面の状況)などを考慮して、より有利な“元の場所からの打ち直し”を選んだということでしょう。
改めて感じた、ルールの大切さ
今回の件で、「池を超えて戻ってきた場合は落ちた付近からプレー再開でOK」という自分の思い込みに気づかされました。
もちろんアマチュアのエンジョイゴルフでは大目に見られる部分かもしれませんが、やはり正しいルールを知っておくことはマナーでもありますし、いざという時の判断にも役立ちます。
特に「黄杭と赤杭の違い」「ラテラル救済ではホールに近づいてはいけない」は、知りませんでした意外と見落としがちなので注意したいですね。
おさらい:池を超えて戻った時の救済
池を超えて戻った際には、ペナルティーエリアの種類に注意して処置が必要ですね。以下のイメージ図を頭に入れてプレーをするようにします。

種類 | 救済方法 |
---|---|
イエローペナルティーエリア (黄杭) | ① 元の場所から打ち直し ② 後方線上の救済 |
レッドペナルティーエリア (赤杭) | 上記2つに加えて ③ ラテラル救済 (2クラブレングス以内でホールに近づかない場所) |
また、レッドペナルティーエリアだとしても、以下のように2クラブレングス以内にドロップできる場所がないケースではラテラル救済は使えないので、特に注意が必要そうですね。
※浮島グリーンなどでは実際にありそうなシチュエーションかもしれません。

まとめ
松山選手のプレーを通して、自分の“思い込み”に気づく良い機会となりました。
池ポチャが起きたとき、「赤杭か黄杭か」で選べる処置が変わるというのは、ゴルファーなら知っておきたい基本のルール。
今後のプレーでは、もう少しルールにも気を配っていこうと思います。
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